| 2006・6・2(金)
重要文化財のような茶畑さん。
天然記念物のような茶畑さん。
といっても、知らない方には想像がつかないと思いますが、とにかくそんな大げさな表現も決して本人を超えられない個性というかパワーといいますか、希有なDNAの方なのです。
性格が善質で良質で全ての人々、全ての動物、植物へあまねく愛をふりそそぐ、おとぼけの、誰にも似ていない茶畑和也さんです。
そんな強烈な個性の方ですので、今までの彼の作品はすごくステキで、認められていて、多方面で好評でしたが、作者自身のパワーを超えることはなかった様に思われます。
しかし、今回の個展で、ポーンと突き抜けた様に画風が変化して、作品がようやく作家に追い付いた、という風なのです。(僭越な言い方で茶畑さんごめんなさい。)
今までのイラストレーションはどちらかというと具体的で説明的であったと思いますが、今回の作品は、表現は平易でコミカルであるけれどもシンプルな構成、色彩の画面にはいつも、もうひとつの次元が描かれており、見る側の思考をくすぐり刺激するのです。本当に本当に、これからのお仕事がますます楽しみな茶畑さんです。
ジョン・シェリーさん、出口はつえさん、茶畑和也さん、と充実した作品展が続いております.
シェリーさんの作品は、ヨーロッパの深い歴史と知識を子供の世界に織り込んでいて、しかも現代的な感性と相まって、本当に得がたい絵本クリエイタ−の方です。こんな方が日本で絵本のお仕事をしておられる、ということは、日本の児童書の世界としては、ひじょうにラッキーなことと思うのです。ですから編集者の方は、もう少し色を明るくとか、優れた作家に対しては創作上のことで、言ってはならないこともあるのではないかと思います。日本の絵本の世界にありがちなことですが、子供の本は明るくなければならないとか、原色を用いなければ、とかの先入観は一度捨ててみた方が良いのではないのでしょうか。私は、空の水色を派手な青色に変えられたり、子供のスカートの色をセピア色から赤に変えられたりした若い絵本作者たちの例を幾度もみています。
シェリーさんの生まれた英国の空は、いつも決して明るいわけではないけれど、(英語圏の国で発売されている絵本の)独特の美しさをもつグレーの混ざった水色の空をみて、子供たちはきっとそれぞれに何らかの印象をもち感受性を育てていくのではないでしょうか?
そんな中でも、日本の絵本の世界の良心の様な感性の方とシェリーさんとの出会いがあり、新しい、伝統的なそして非常に興味深い仕事の計画がひとつ生まれました。大切な人と人との出会いから最良のエネルギーを放つ作品世界が生まれていったら、こんなに素敵なことはないと思います。
出口さんの布の人形たちの可愛らしいこと・・・。
クツもバッグも、時計も指輪も女の人たちが愛して止まない小物たちを全て布で、ポップに楽しく作ってしまいます。今回は女の人だけでなく、アートディレクターや編集者が多かったけれど、男性にも大人気でした。
見る者はひたすら楽しい気分にさせて頂き得をした感じなのですが、この仕事はひじょうに根気と根性が必要です。出口さんの創作の日々を以前から知っている筆者は、常に自作を超えようとしていらっしゃる彼女の姿勢を、とても立派なことと思っております。
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